私に視えてきたもの⑤
この話は私がある地方都市を訪れた時に実際に経験したことです。今でも思い出すと身震いするほどの強烈な体験でした。丁度終電が終わったころの時間帯だったと記憶しています。ある私鉄沿線に併走して車を運転していました。(私は知人を一人後部座席に乗せていました)ターミナル駅の近くで減速したところ、終電から下車したであろう数人の方がそれぞれの方向に歩いていました。その中に私の運転する車に向って一人のマントを着た女性らしき人が歩いてきました。マントなんて今時珍しいなと思って何の気なしに眺めていると、その女性は車道を横切って私が向かう方向と逆の方向に小走りに去って行きました。その時は何も感じなかったのですが。私が左折をするために信号待ちをして、サイドミラーを確認すると、そのマントの人物がすごい勢いで飛んでくるように走って来たのです。体感では100mを3秒位で走って来たように感じました。あっという間に車に寄ってきて、後部座席の窓を叩いたのです。私は全身が総毛立ちましたが、後部座関の知人は霊感のない方だったため、「何か用かな?」といって窓を開けようとし、私は「ダメ!」と絶叫してロックボタンを押しました。これは人間ではない、いわゆる【異形(いぎょう)】だと察知したので気絶しそうになりながら、何とか青信号を左折しました。この時に赤信号であったなら、私は事故を起こしていたと思います。とにかくパニック状態でこの場から離れなければならない、との一心でした。後日知人に聞いてみたところ、顔は見えなかったけれど、背格好から女性だと思った、とのことでしたが、私が取り乱していたのがとにかく驚いたとの感想でした。物凄い悪意と憎悪で、その土地に憑いているいる霊体でもなく、あれは一体何だったのか、このことはあまり考えないようにしています。