私に視えてきたもの③
これは私が会社員をしていた時に実際に経験したことです。地方都市へ出張し、ビジネスホテルに宿泊しました。特別なこともなく翌日チェックアウトをしにフロントに立ち寄った時です。エレベーターを降りてフロントに向っていく途中に「あれ?昨日の人は制服を着ていたのに・・・」とそのフロント業務の方が蝶ネクタイをしてバーの店員さんのような服装なのに気づきました。フロントデスクに近づいて行くと何だか顔色の悪い男の人が立っていました。言葉遣いは丁寧なのですが、その方は驚いたことに半透明でした。私は動揺を隠しながら精算をお願いしました。テキパキと領収書を用意してくれましたが、全身が透けているので後ろの棚がはっきりと見えました。「ああこの方には亡くなった方が憑いている」とはっきり分かりましたが、言い出すわけにもいかず、そのままその場を後にしました。きっと私以外の方には普通に制服を着た男性従業員がフロント業務をこなしていただけに見えたと思います。生きた人間がもはや霊体と一体になっているようでした。生霊では半透明に視えたことはないので非常に稀な体験でした。